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《日本沈没》書評

今日、小松左京の《日本沈没》を読み終えました。小説自体は物語の展開においては普通で、混沌とした感じがあります。主要なキャラクターの特徴もはっきりとしていませんが、それは人物描写が売りではない小説です。本書のプロットは、いくつかの章でキャラクターの物語が進行し、いくつかの章で群像劇が切り替わります。キャラクターの物語が一区切りになると、マクロな視点や群像劇に切り替わり、再び戻ってくるとすでに時間が経過している物語になっています。それにより、やや断片的な感じがします。本作は物語やキャラクターは普通ですが、災害下の人々の描写は感情的で、読んでいてとても悲しくなります。

小説の前半は主人公たちを中心に物語が進みますが、中盤では沈没の原理が主に語られ、後半ではマクロな視点で事件全体が描かれます。人物に焦点が当てられなかったため、一部のキャラクターの物語は中途半端で、説明がないものも多くあります。しかし、科学的な部分は詳細に説明されていますが、その詳細さが退屈になることもあります。科学に詳しい人にとっては楽しいかもしれません。

テレビドラマ『日本沈没:希望の人』を見たことがなければ、私は最後まで読み続けることはなかったでしょう。それでも最後の部分で私を引き続けたのは、小野寺と玲子の結末を見たかったからです。最後に摩耶子を見るのも驚きでした。

本を読み終えた時点で玲子はもういないと思っていましたが、豆瓣での議論を見ると、第二部があるということです。その中で二人が再会する場面があるとのことで、関連するプロットを見たくなりました。しかし、第二部の中国語版は 2008 年に出版されたものしかなく、オンラインの電子版や中古本も見つかりません。運命に任せるしかありませんね。

ただ、豆瓣での第二部の書評を見ると、世界主義の視点が興味深いです。レビュアーは第二部で国家主義と民族主義を世界主義で置き換え、「世界的な民族と国家の統合」を提案していると考えています。ユダヤ人が世界主義の典型だとしています。このコメントは 2011 年に書かれたもので、当時はグローバリゼーションが盛んでした。現在の 2022 年において、世界各地で民族主義の復活が見られる現象を考えると、時の流れや世の中の変化に感慨深いものがあります。

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